札幌競馬場の夏日記 第3話 「滞在馬の1日」 ~発走調教編~

 

20060719_01今週で第3話となりました「札幌競馬場の夏日記」。今回は発走調教について皆様にご紹介したいと思います。第2話でもご紹介したとおり、現在札幌競馬場にはたくさんの馬たちが入きゅうし、毎朝調教を行っています。

 先日、札幌競馬場にもゲート(写真①)が到着し、7月19日(水)から発走の調教が始まりました。実はゲートというのは各競馬場にあるのではなくて競馬場から競馬場へと開催時期に合わせて引越をしているんです。ですのでゲートが届くまでの間は発走の調教はできないということになります。

 では「発走調教ってナニ?」ということですが、発走調教とは馬たちの調教メニューの1つで、簡単に説明するとレースのスタート練習のことをいいます。レースでは簡単にスタートしているように見えますが、馬たちにとって狭いゲートの中でスタートに集中するということは結構大変なんです!!ですから、普段ご覧になっているスタートは馬たちの涙ぐましい日々の練習があってこそなんです。

 それではどんな風に練習しているかという一例をご紹介します。
 
 まずはゲートを通過する練習(写真②)をします。これは前扉を開けたまま、ただ通過する練習です。最初は少し躊躇したりする馬もいますが、これをクリアできれば次のステップに進みます。

 つづいてはゲートの中で静止する練習(写真③)をします。この時は前後の扉を閉めて実際のスタートと同様の状態になっています。ゲートの中は馬にとっては非常に狭く感じるところなので、狭いところが苦手な馬はじっと我慢しなければなりません。

 そして最後は実際に前扉が開いてスタートする練習(写真④)です。最初は開いた扉等に驚いてしまう馬も中にはいますが、何度も練習することでスタートが上手くなっていきます。

 さらに初めてデビューする馬たちなどは練習を済ませたら発走試験を受けなければなりません。試験では「ゲートの中でじっとしていられるか」・「前扉が開いたらちゃんとゲートからスタートするか」などをチェックします。この試験に合格して初めてレースに出走することができるので馬たちはもちろん、きゅう舎スタッフの方々も一生懸命になって練習をしています。
 
 このようにして馬たちはレースに向けて着々と準備を整え、自分の出番をいまかいまかと待ち焦がれているのです。もし今度、競馬場に足を運ばれ機会がございましたら、馬たちのスタートする勇姿にも注目してみてはいかがでしょう?今までとは少し違った角度から競馬をご覧いただくことが出来るのではないでしょうか!? 

 来週は札幌競馬場のコース管理についてご紹介する予定です。乞うご期待!!
 
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