【美浦TC】トレセンお仕事紹介② ~ゲート編~
さて、今回ご紹介しますトレセンのお仕事は発走練習&ゲート試験です
スペシャルゲストにお迎えしたのは・・・
ターフィー君とお手伝いしてくれる厩務員のお兄さんです
35度と暑い中、やる気満々です。張り切っていきましょう
競走馬は生まれてからゲート試験をむかえるまでに、銜(ハミ)や鞍などの馬具を装着する、人を背中に乗せて走るなど、色々な馴致を受けてきます
最近では、育成場や牧場でのゲート馴致が進んでいて、入厩したての新馬でも比較的スムーズにゲート試験をクリアしていくこともありますが、ゲートはまさしく競走馬にとってレースに出走するための最後の難関といえるかもしれません
さて、ゲートの練習と一言に言っても、そのやり方や段階はさまざまです
ゲートの馴致として大きく分けると
①ゲートそのものに対する馴致
②ゲートを通過する・ゲートの中で止まる馴致
③前後の扉を閉める馴致
④枠入りの馴致
⑤駐立の馴致
⑥発進の馴致
に分けられます。
馬は本来繊細で臆病な動物であると言われています
これは草食動物である馬が、身を守るためにいち早く危険を察知し、逃げるための本能が備わっているためです
こうした競走馬の特徴を考慮し、ゲートには様々な工夫がなされています。
例えば、ゲート練習が初期段階の馬を馴らすための枠が広いゲートが用意してあります
慣れてくると少しずつ幅の狭いゲートを通し、最後には競馬のゲートと同じ幅のところを通れるようになるのです
また、ゲートの開く“ガッシャーン”という音にも少しずつに慣れさせる必要があります
ゲート練習場には写真のように「消音」と書いてある音があまりしないものもあります
はじめは扉が開くときの音に驚いてゲートから出てこれない馬もいるからです
さて、前置きが長くなりましたがターフィー君はどうでしょう??
おっといきなり枠入りを嫌がっていますお兄さんも必死です
まぁ初めてですから、あせらずにターフィー君が納得するまで待ちま しょう
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ようやく、ゲートに入りました(ゲートの中は日陰になっていることに気づいたようです)
ゲートの中でもゆったりと落ち着いています(暑くて暴れる余裕もなさそうです)
ちなみにゲートの中からは、こんな景色(ジョッキーの目線)です
思っているより視界は広がっていますね。
さあ次はいよいよ発進です
スタート
ゲートが開くのと同時に飛び出てきましたすばらしい発進です
あれれっ*でも、よく見ると手足が一緒です(いわゆる側対歩ですね)
さてこれだけ、できればゲート試験も合格です
ゲート試験は正式には「発走調教の審査」といい、審査が必要な馬は基本的に以下の項目に該当する馬になります。
① はじめてJRAに出走する馬
② 1年以上日本の競馬に出走していない馬(特例的に指定された外国での出走でもOK)
③ 競馬で再審査の制裁を受けた馬
④ 地方からの転入などの再登録馬
審査は、発走担当者(スターター)が行っています。
発走委員は、競馬の開催日には、発走地点でのお仕事をしています。
普段は、毎朝調教時間にゲート練習に立ち会ったり、ゲート試験を行っています。
こうすることで、色々な馬のゲートに対する「くせ」をなおしたり、競馬のときに円滑な発走ができるように色々な情報を把握するのです。
これでゲート編は終わりです
暑い中、頑張ったターフィー君とお兄さんお疲れ様でした
次回のトレセンお仕事紹介は、出馬投票編です。こうご期待ください