函館競馬場120年の軌跡

函館競馬場は、現存する全国の競馬場の中で最も長い歴史を誇ります。

戦争があり、災害があり、競馬の中止があり・・・

その歴史と道のりは決して平坦なものではなく、幾多の荒波を乗り越えて現在に至ります。

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今回はその歴史について振り返ってみたいと思います。

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1859年(安政6年)、自由貿易港として開港された箱館(当時)は、いち早く西欧文化も入り、1862年文久2年)頃には祭典余興として競馬に似たようなものが行われていたという記録があります。

そして、1875年(明治8年)に招魂社(現護国神社)祭典競馬として、蓬莱町の道路に柵をめぐらせて行なわれたのが函館競馬の始まりとされています。

その後、大火で意気消沈した住民を励ますために競馬場開設の構想が持ち上がり、函館県令であった時任為基の尽力により海岸町に競馬場が作られ、翌年には函館大経らによって共同競馬会社が設立され、それまでの祭典競馬とは趣を異にした競馬らしいものが行なわれるようになりました。

この競馬場が1896年(明治29年)に現在地に移転したのが函館競馬場の始まりです。

以来、湯の川温泉に近く、津軽海峡函館山を望む郊外に開設されたことで、競馬と旅行との両方を楽しむ全国のファンから人気を集めています。

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温泉の恩恵は馬も受けています。

馬の疲労回復やコンディション作りのため、1962年(昭和37年)に湯の川温泉の『大湯温泉』内に競走馬の温泉療養施設が作られました。

Photo【大湯温泉の様子】

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その後、交通事情により1978年(昭和53年)に廃止されますが、厩舎関係者の強い要望により1981年(昭和56年)に競馬場内に馬の温泉所が作られました。

そして、1993年(平成5年)に現在地へ移築され、今日に至っています。

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函館競馬場年表

1875年(明治8年)  蓬莱町(現宝来町)の仮設競馬場で第1回函館招魂社祭典競馬が開催

1896年(明治29年) 柏野(現駒場町、現在地)に函館競馬場開設

1903

1903年当時】

1907年(明治40年) 馬券発売を伴う競馬を開催

1911年(明治44年) 皇太子殿下(後の大正天皇)が行啓

1944年(昭和19年) 太平洋戦争で閉鎖

1946年(昭和21年) 進駐軍競馬を開催

1946【1946年当時】

1947年(昭和22年) 日本競馬会による函館競馬が再会

1954年(昭和29年) 日本中央競馬会設立

1962年(昭和37年) 馬の温泉所開設

1965年(昭和40年) 第1回函館記念が行なわれクリベイが優勝

1970年(昭和45年) 鉄筋コンクリート3階建てスタンドが完成

1970【1970年当時】

1998年(平成10年) 全国の競馬場で初のウッドチップコースを新設

2010年(平成22年) 現在のスタンドが完成

1c【現在】

2016年(平成28年) 120周年を迎える

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