2019-05-01から1日間の記事一覧

離乳 ~その2~(生産)

離乳の実施時期は、概ね生後5~6ヶ月齢というのが一般的になっていますが、牧場によっては早くて3ヶ月、場合によっては7、8ヶ月齢と遅い場合もあるようです。 離乳の実施時期を考慮するうえで、 「栄養面の離乳」と「精神面の離乳」の2つを念頭に置く…

離乳 ~その3~(生産)

離乳を実施するうえで、考慮しなくてはならないリスクには以下のようなものがあります。 ①成長停滞 ②悪癖の発現 ③疾患発症(ローソニア感染症など) ④事故 これらのリスクをゼロにすることはできません。 しかし、予防策として、 「離乳前に固形飼料を一定量…

離乳 ~その4~(生産)

本年、日高育成牧場で実施した離乳方法は以下のとおりです。 【1週目】7組の母子のうち、2頭の離乳を実施。 【1週目】穏やかな性格の牝馬(本年出産なし)をコンパニオンとして導入。 【2週目】3頭の離乳を実施 【3週目】残り2頭の離乳を実施 【離乳後】…

本格的に育成業務を開始しました!(宮崎)

去る8月29日、サマーセールで購買した16頭が宮崎育成牧場に入厩しました。北海道から馬運車に揺られ続けること48時間。疲れていないはずはないのですが、初めて降り立つ宮崎の地で元気一杯の姿をみせてくれました。輸送環境に恵まれたこともあり、輸送性肺炎…

あて馬の活用 その1(生産)

先日、日高育成牧場にハフリンガー種の「スワロー君(オス3歳)」がやってきました。 スワロー君は、来年の繁殖シーズンから当場で「あて馬」として活躍します。 馬は季節繁殖動物であり、春に繁殖シーズンを迎え、この時期に牝馬は発情します。 「あて馬」…

あて馬の活用 その2「ユニバーサルドナー」(生産)

スワロー君に期待されている役割は「あて馬」だけではありません。 スワロー君の品種である「ハフリンガー種」は、他の品種に比較して「ユニバーサルドナー」である確率が高い品種です。 「ユニバーサルドナー」というのは、他の馬にその血液を投与した場合…

生産現場における駆虫 その1「耐性寄生虫の発生原因」(生産)

生産現場で問題となる耐性寄生虫、すなわち駆虫剤に効果を示さない寄生虫、 その発生原因となるポイントは3つ。 ①すべての馬に対する駆虫 ②定期的な駆虫 ③同じ駆虫剤の継続投与 では、耐性寄生虫は、どのようなメカニズムで発生するのでしょうか? 以下のよ…

活躍馬情報(事務局)

10月10日の門別競馬11Rエーデルワイス賞<JpnⅢ>におきまして、JRA育成馬フクノドリーム号が優勝しました。フクノドリーム号は、新種牡馬ヨハネスブルグ産駒で、3連勝での重賞制覇を飾りました。同馬は日高育成牧場で育成調教され、今年4月に…

生産現場における駆虫 その2「ターゲット・ワーミング」(生産)

耐性寄生虫の出現を可能な限り抑制する方法として、 欧米では「ターゲット・ワーミングTarget worming」と呼ばれる駆虫方法が提唱されています。 ポイントは3つです。 ①虫卵検査の実施 ②必要な馬に限定した駆虫 ③薬剤のローテーション すなわち、虫卵検査を…

生産現場における駆虫 その3「寄生虫をゼロにする必要はない」(生産)

前回触れた「ターゲット・ワーミング」のつづきです。 「ターゲット・ワーミング」は、薬剤感受性が高い寄生虫(薬が効く虫)を一定割合生存させておくことによって、耐性寄生虫の割合を減らすことができる方法です。 これにより、本当に駆虫が必要な時に駆…