育成馬ブログ 日高⑥

○  春近し!(日高)

 

バレンタインデーの2月14日、関東地方をはじめ日本各地で春一番が吹きました。

 

先日発表された3カ月予報でも3月からの気温は平年よりも高い予報となっており、

3月に入ると一気に春の気候に切り替わりそうです。

 

JRA日高育成牧場のある浦河町でも気温が上昇する日が増え、

近隣中学校の校庭に作られたスケートリンクの氷も解けてしまいました。

待ちに待った春は、すぐそこまで来ています。

 

 

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写真1. 中学校の校庭に水をまいて作ったスケートリンク

学校の授業でも活躍したリンクですが現在は氷が解けて滑れなくなってしまいました。

  

 

育成馬の調教状況

 

まずはJRA育成馬の調教状況についてお伝えします。

調教メニューは前回の同ブログから変わっておらず、

毎週2回(火曜日・金曜日)の坂路調教を実施しています。

 

坂路調教を行う日はまず、

屋内800mトラックでハッキング(キャンター2周)を行ってから、

坂路2本(縦列、3ハロン54~51秒程度)を駆けあがっています。

 

現時点の坂路調教では過剰にスピードを求めず、きれいな隊列のなかで

正しい走行フォームで走ることに重点を置いています。

 

とはいえ3ハロン51秒程度の登坂では息遣いや馬の表情、

さらには体力測定のために行っている乳酸値測定や心拍数の検査で

「余裕がある」と感じられる馬が増えてきたことから、

スピード調教に移行しても耐えられるだけの体力が備わってきたと考えています。

 

3月中旬を目処に坂路での併走調教を開始し、

徐々に馬の「走りたい気持ち」を膨らませる調教にシフトしていきます。

 

 
YouTube: 屋内1000m坂路馬場での調教風景

動画1.屋内1000m坂路コースでの調教。

先頭を走るのはイフリータ14(父:ケイムホーム)。

2本走行した後にも、全馬余裕たっぷりでした。

 

  

競馬学校騎手課程生徒の研修を行いました

 

先日、競馬学校から騎手課程第33期生が来場して生産地研修を実施しました。

 

この研修では生産牧場やスタリオンの見学なども行いますが、

メインは普段騎乗することのない若馬(JRA育成馬)の調教騎乗です。

 

彼らは競馬学校での基礎課程を修了してトレセンでの実践課程に進んでおり、

馬産地日高で毎年行われるこの研修で

若馬の騎乗方法や競走馬との違いなどを勉強します。

 

3日間の研修で10数頭の育成馬に騎乗し、

多くのことを感じてもらえたのではないかと思っています。

 

研修を通して生産・育成の現場で馬に携わる人々から直接話を聞くことで、

将来レースで騎乗するサラブレッドが背負っている

“様々な人の思い”を感じてもらうことができたと思います。

 

研修で学んだことを活かし、

競馬ファンの皆様や牧場関係者に愛される立派な騎手に育ってほしいです。

 

 
YouTube: 屋内800mトラックで育成馬に騎乗する騎手課程生徒

動画2.屋内800mトラックで育成馬に騎乗する騎手課程生徒(赤白の染め分け帽)。

前列左からフラワーロック14(父:キングズベスト

サンセットロード14(父:ロージズインメイ

後列左からタヒチアンメモリ14(父:フリオーソ

ダノンスズラン14(父:ステイゴールド

ナイキトライアンフ14(父:アルデバラン

   

春が近づくにつれ、育成馬達もぐんと成長して良くなってくるこの季節。

日高育成牧場では購買関係者や生産牧場の皆様のご来場をお待ちしております。

是非お気軽に当牧場へお越しください!