騎手課程生徒の実技訓練内容とは?

本日はジョッキーの卵である騎手課程生徒が普段行っている実技訓練の内容を、騎手課程28期生の訓練風景を交えながら、簡単にですがご紹介させて頂きます。

経路障害・走路障害

 

騎手といって思いつくのは華麗なモンキー乗りかと思いますが、最初から走路コースでモンキー乗りの訓練を行っているわけではありません。

騎手課程に入学してくる生徒は乗馬を経験している生徒もいますが、一度も馬に乗ったことがなくて入学してくる生徒ももちろんいます。

モンキー乗りでの走路騎乗は高度な技術が必要であり、かなりの危険も伴いますので、入学してから一定の期間は基礎乗馬の訓練のみを行うことになります。

基礎乗馬では馬の動かし方をしっかりと身に付けてもらいます。その中では、障害飛越の訓練も行います。

障害飛越は、馬術競技と同様に指定された経路通りに障害飛越を行う経路障害と、競馬の障害競走で使用する固定障害を飛越する走路障害があります。

経路障害訓練の様子

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走路障害訓練の様子

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走路騎乗

入学して6ヶ月ほど基礎乗馬の訓練を行った後、技術の向上が見られれば基礎乗馬と平行して走路騎乗を開始します。走路騎乗訓練では、走路馬(元々中央競馬のレースに出走していた競走馬)を使用してモンキー乗りで訓練を行います。

競馬では馬をより速く走らせるということはもちろん大事なのですが、レースで勝つにはペースを把握するための“速度感覚”というものが非常に大事になってきます。それを養うために、競馬学校では指示されたタイム通りに馬を走らせるという訓練を重点的に行っていきます。

生徒は1ハロン(200m)走行時の歩数を数えることにより“速度感覚”を養います。例えば、馬のストライドの大きさによって多少異なりますが、1ハロン15秒だと大体35歩前後となります。

とても難しそうに感じますが卒業間近の3年生にもなってくるとほとんど狂いなく、指示されたタイム通りに走らせることが出来るようになります。

走路騎乗訓練の様子

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学校を卒業すると見習騎手としての減量制度があるとはいえ、多くの経験を積んだ現役ジョッキーたちと同じ舞台で競い合い、お客様には馬券を買っていただくことになるわけですから、それに見合うだけの技術は必要になってきます。

ですので、毎日厳しく指導を行い、すぐに実際のレースにいって活躍できるような技術を、学校にいる間から身に付けられるようにしています。

 

そのような訓練を経て、先日卒業した26期生たちが、間もなくデビューします。競馬学校ではより優秀な騎手を輩出するため常々カリキュラムの改良に取り組んでおり、26期生たちはこれまでの卒業生たち以上に、実戦形式の訓練を多く積むことが出来ました。彼らがデビューしてどのような騎乗を見せてくれるのか、競馬学校の職員一同楽しみにしています。