【栗東TC】宝塚調教見学ツアー&笹田厩舎訪問
こんにちは
台風4号が日本列島に上陸し、宝塚記念への影響が心配されましたが、当日は無事に開催することができそうです
天候によるレースへの影響を予想に加味することも競馬の醍醐味のひとつといえますが、いかがでしょうか
今回は6月20日(水)に行われた宝塚記念調教見学ツアー&笹田和秀厩舎訪問の様子を紹介します
栗東トレーニング・センターではGⅠ開催週に調教見学ツアーを企画し、多くの競馬ファンの皆様にご応募いただいています。
今回は笹田厩舎訪問も行うということで、さらに多くの方にご応募いただきました。
本当に、本当にありがとうございます
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A.M.6:00
参加者の皆様には、早朝から眠気を我慢して集合していただきました
トレセンの朝は早い
まず、最初に到着したのは左廻り調教スタンド。
ここでは トレセンのA~Eコースで調教する競走馬の様子を見学していただきました
トレセンで調教する競走馬は、それぞれに割り振られた番号のついたゼッケンを身につけています。
皆さん、その番号とゼッケンを照らし合わせながら、目的の馬を見つけようと集中して見学していました
そして、ここではスペシャルゲストに登場して頂きました
まず始めに佐藤哲三騎手!!去年に引き続きアーネストリーとのコンビで宝塚記念に出走します。
「正直言って、前走はあまり納得のいく競馬ができませんでしたが、敗戦を糧として今度のレースでは去年のような良い結果を残したいです。」とコメント。
昨年の宝塚記念では、なんとレコードを叩き出す力強い内容で優勝
今年は2連覇をかけて挑みます
続いて坂口正大元調教師(写真中央)と浜中俊騎手(右)へのインタビュー。
師弟関係とも言える坂口元調教師と浜中騎手坂口元調教師には浜中騎手とのエピソードを語っていただきました
かつて、坂口元調教師は弟子を取らないという考えを持っていらっしゃったそうです。しかし、停年を控え、一人ぐらい騎手を育ててみたいという思いが芽生えました。
そんな中、元騎手であり、現在競馬学校の教官を務めている蓑田早人氏に「男前で頭の良い子なら引き受けてもいいよ。」と、何気なくお話をすると、「小倉にピッタリの子がいる。」と紹介されたのが浜中騎手だったそうです
「男前で頭の良いジョッキーなら・・・」という発言に、浜中騎手も顔を赤くしていました。
浜中騎手には、宝塚記念に向けての抱負を語っていただきました。
「騎乗するショウナンマイティはメンコを外しても良いくらい、だいぶ落ち着きが出てきました。レース本番での位置取りはいつもどおり。相手にとって不足はありません。胸を借りるつもりで挑みます。」と自信のコメント
一方リーディングジョッキーを視野に入れているか?という質問には、「滅相もないです。」と遠慮気味のコメントでした
また、坂口正大元調教師は現在各メディアで競馬評論家としても活躍されています。坂口元調教師には宝塚記念予想解説もしていただき、参加者の皆さんはより耳を大きくしてお話を聞いていました
気になる坂口元調教師の本命馬は・・・・・参加者限定の秘密です
最後は岩田康成騎手!宝塚記念はウインバリアシオンとのコンビで挑みます。
「今日は調整程度の軽い調教でしたが、申し分ないですね。
納得のいく状態で、納得のいくレースを心掛けたいです。」とのコメント。
ウインバリアシオンに関しては、3週前から調教に携わっていたそうです。初騎乗とはいえ、信頼関係十分のコンビが誕生したといえそうです。
日本ダービー、菊花賞ではオルフェーブルに続く2着という好成績を残しています。
この舞台で悲願のGⅠ初制覇なるか!?必見です。
A.M.7:50
ここからは2班に分かれ、右回りスタンドと坂路スタンド、その他の施設を見学しました。
調教に携わる多くの関係者の緊張感がひしひしと伝わってきます。
また、坂路スタンドの屋上から見えるトレーニング・センターの全景をご覧頂けました。
A.M9:30
トレセン施設の見学を終え、いよいよ、笹田和秀厩舎の訪問です。
ここで、笹田和秀調教師のプロフィールをちょこっとだけ紹介します!
笹田調教師は、広島県福山市のご出身で、小さな頃から地方競馬の福山競馬場が近くにあり、自然と馬や競馬に親しまれるようになったことが縁で競馬の世界を志されたそうです。1980年に島崎宏厩舎の厩務員としてそのキャリアをスタートされました。翌1981年には調教助手の資格を取得し、1983年に伊藤雄二厩舎に移籍、ウイニングチケットやエアグルーヴ、ファインモーションといった数々のGⅠ優勝馬調教を担当されました。その後、梅田智之厩舎所属を経て、2008年に調教師免許を取得、翌2009年に厩舎を開業されました。
昨年はなんと開業3年目にしてエリンコートでオークスを優勝!現在までにGⅠ競走1勝を含む、通算69勝を挙げておられます。
写真中央にいらっしゃる、帽子の方が笹田調教師です。
質問コーナーでは、笹田調教師に多くの質問に答えていただきました。
大まかにまとめたのが以下の内容です。
---------------------------調教師を目指されたきっかけを教えてください。
「父が福山競馬での馬主をしていたこともあり、自然と馬が好きになりました。自分も馬に乗ってみたいという思いから、競馬の世界に足を踏み入れました。調教師を志したのは、伊藤調教師の引退がきっかけです。伊藤調教師の想いや調教技術を受け継いでいきたいと思うようになりました。」
---------------------------やりがいや醍醐味は?また、苦労、プレッシャーに感じることは?
「生まれたばかりの仔馬にデビューから活躍するまで一貫して携わることができることがやりがいです。“楽しみながら”をモットーにしており、苦労やプレッシャーはあまり感じないようにしています。プレッシャーを感じると馬にそれが伝わってしまいます。苦労を一つ挙げるとすれば、負けたとき、言い訳を考えることかな?(笑)」
---------------------------伊藤調教師から学んだことは?
「馬がどの時期にピークを迎えるかを見極めること。競走馬人生という長いスパンの中でいつがその馬の実力を発揮できる時期なのか見極めることが大切であると伊藤調教師から学びました。」
---------------------------管理馬についてのお話をお聞かせください。
「笹田厩舎の馬はおとなしくて賢い馬が多いです。特にレディアルバローザは優等生で、手がかからない。逆に寂しいです・・・(笑)
エリンコートも同じくおとなしい馬だが、調教になると気持ちが入りすぎる所があります。調教でU.リスポリ騎手に騎乗してもらったとき、気持ちを抑えるような調教をしてもらいました。これが後のオークス制覇に繋がったのかもしれません。」
---------------------------笹田厩舎といえば牝馬のイメージが強いですが、牝馬の調教を得意に感じていますか?
「確かにオークスの後、牝馬のオファーが増えたと思います。実際には牡馬の成績のほうが良いんだけど。」
---------------------------調教師としてのポリシーを教えてください。
「馬に対して、というよりも、従業員に対して働きやすい環境を整えることを大切にしています。従業員に対して怒ったことはないし、従業員に馬を嫌いになってほしくないという思いがあります。人の気持ちや感情は馬に伝わるから。」
---------------------------こっそりと、パドックでのレースで活躍しそうな競走馬の見分け方を教えてください。
「馬よりも馬を引く人に注目して見てください。はつらつとした表情で馬を引いている人を見ればそのレースに自信があることを伺い知ることができます。その気持ちは馬に伝わるしね。」
質問コーナーのあと、厩舎内の様子を見学させていただきました。
在厩馬やえさの管理表についての説明をしていただいています
飼料に関して、カロリーをしっかり把握しており、通常の調教、追いきり日、レース当日など、その日その日、一頭一頭細かく食事の管理をされていました
厩舎内の競走馬に直接触れる機会を設けていただきました
始めは競走馬に対して不安そうな表情を見せていた見学者のみなさんも、だんだんと思い思いに馬とのコミュニケーションを楽しんでいました
これはジョッキーが競走馬に乗る練習にも使用している木馬です
笹田調教師が実際に乗っていただきながら説明していただきました。
騎手それぞれの乗り方の違いなど、レース中に注目すべきポイントを踏まえた上での説明は目から鱗でした
最後に、恒例の集合写真撮影
皆さん満足そうな表情です
筆者自身、笹田和秀厩舎は本当に人を大切にされている厩舎であると感じました。
いかにして強い競走馬を育成するかという調教方法に着目しがちですが、どのようにすれば厩務員さんや調教助手の方に働きやすい環境を提供できるか?ということを第一にこだわっていらっしゃいます。
「人の気持ちは馬に伝わりやすい」というお話があったように、気持ちの良い厩舎づくりが強い競走馬を作る最大の秘訣であると感じました。
A.M.10:30
最後にトレセン来場記念品の抽選会を行い、解散となりました。今回は笹田厩舎オリジナルキャップの提供もあり、景品をゲットされた方は本当にラッキーだと思います
それではこれで宝塚記念調教見学ツアー&笹田和秀厩舎訪問ツアーのレポートを終わります。
じめじめした季節を抜ければいよいよ夏競馬が始まります
JRAサマーステージとしてJRAサマージョッキーシリーズなどたくさんの楽しいイベントを企画していますので、楽しみにしていてくださいね
暑さに負けないようにそれではまた