【栗東TC】有馬記念調教見学&岩元市三厩舎訪問ツアー
こんにちは
2013年も年の瀬を迎え、どこか慌しい季節となりました皆様はもう新年を迎える用意はできましたか
さて、栗東トレーニング・センターでは、12月18日に有馬記念調教見学&岩元市三厩舎訪問ツアーを実施しました
今年最後のGⅠ競走の調教見学と、2000年の有馬記念をテイエムオペラオーで制した岩元市三厩舎訪問が実施されるということで、沢山のご応募をいただきました
早朝から実施される調教見学ツアーまずは左廻りスタンドへ向かいます
調教見学では、ウッドチップコースで追い切りを行うゴールドシップ、トゥザグローリー、トーセンジョーダンを、ニューポリトラックで追い切りを行うデスペラードの姿を確認することが出来ました!
調教見学の追い切りはあっという間に終わってしまい、双眼鏡でお目当ての競走馬を見つけるのは至難のワザ・・・・しかし、白い馬体が自慢のゴールドシップはみなさん、しっかりと捉えることができたようですよ
調教見学の合間には有馬記念出走予定のゲスト騎手が登場
まずはじめに、トゥザグローリーに騎乗予定のC.ルメール騎手に登場いただきました
有馬記念について、「これまでを振り返ると、自分にとって有馬記念は成績の良いレースであり、相性がよく、大好きなレースだと感じています。また、有馬記念は競馬ファンの注目も高いので、騎手にとっても重要なレースです。」とコメント
外国人騎手にとっても、有馬記念は重要なレースのひとつであることが伺えます
さらに、コンビを組むトゥザグローリーについては、「寒い季節に強い馬なので、今年もここに来て調子が上がってきています。強い馬は沢山いますが、トゥザグローリーの力を発揮できるように騎乗したいです。」とのこと
トゥザグローリーはこれまで3度有馬記念に出走し、3着への入賞を2回果たしました
4回目となる今回、悲願の優勝成るか目が離せませんね
続いての登場は、岩田康誠騎手
岩田康誠騎手には、まず、先日ロードカナロアで優勝した香港スプリントについてお話いただきました
「世界中で注目されている大きな舞台で、ロードカナロアにとっても1番強いレースが出来たと思います。まだまだ、現役で活躍できる能力のある馬ですが、まずは、お疲れ様と声をかけたいです。」とコメント
GⅠ級競走を6勝し世界にも認められる競走馬となったロードカナロア
岩田康誠騎手からロードカナロアへ、ねぎらいの思いが込められていました
「ウインバリアシオンは、日本ダービー、菊花賞で2着という実績のある馬で、非常に乗りやすい馬であると感じています。休養後順調に来ているので、勝ちに行くレースをしたいです。」
とのこと
ウインバリアシオンはこの有馬記念で引退するオルフェーブルと同世代であり、これまで数々のレースで戦ってきました。今回で両者の対決は最後となりますが、最終対決でどちらに軍配があがるのか注目ですね
調教見学、そして坂路コースなどの施設見学を終えた後、
いよいよ岩元市三厩舎訪問に向かいます
岩元市三調教師は騎手時代、ラフオンテースで阪神3歳ステークス(現・阪神ジュベナイルフィリーズ)を制し、バンブーアトラスでダービージョッキーとなりました
騎手を引退した後は、調教師として新たなステージに立ち、1999年にテイエムオペラオーで皐月賞を制した後、2000年に有馬記念を含むGⅠ競走5勝の偉業を達成し、最多賞金獲得調教師としてJRA賞を受賞されました
岩元市三調教師は、騎手引退を迎えたとき、1頭1頭についてゲート試験からレースへのデビュー、そして引退まで馬の生涯に携わることが出来るところに魅力を感じ調教師を目指されたそうです
馬は寒い時、暑い時、お腹が空いた時、言葉が話せないので、調教師は24時間馬のことを考えていなければなりません。それが苦労でもありますが、やりがいに感じていますとおっしゃっていました
また、岩元調教師へたくさんのメッセージのあったテイエムオペラオーについても語っていただきました
テイエムオペラオーは、普段やんちゃな馬で、しばしば調教助手や主戦の和田竜二騎手を振り落としていたそうですしかし、レースに向かう姿勢はまじめで、根性のある性格だったようで、「2000年の有馬記念ではそのような性格が優勝という結果に結び着いたのでしょう」とおっしゃっていました
調教師へのインタビューの後は、馬房見学です
岩元調教師に1頭1頭管理馬について、普段の様子や目標となるレースを紹介していただきました
さらに、馬房の中にはミヤジタイガの姿が
(写真は暗くて見えにくくなってしまいました!ゴメンナサイ!)
ミヤジタイガは皐月賞トライアルである弥生賞で2着の成績を残し、世代トップクラスの仲間入りを果たしました皐月賞、日本ダービーと出走し、その後はオープン競走のカシオペアステークスを勝利これから更なる活躍が期待される競走馬ですミヤジタイガは2歳入厩当初はやや子どもっぽい素振りを見せる馬だったそうですが、古馬となり、最近だんだんと性格が落ち着いてきているそうです
最後に集合写真撮影です
岩元調教師の右隣には平成26年度新調教師試験に合格された西村真幸さんにも登場していただきました
(新規調教師試験合格者記者会見の様子はこちら)
調教師という視点から競馬や競走馬、騎手について、たくさんのお話をしていただいた岩元市三調教師これからの活躍にも是非注目してください
厩舎訪問の後は新・競走馬診療所見学です
栗東トレセン開設当初から使用されてきた競走馬診療所は、今年の12月に閉鎖され、
新競走馬診療所として1週間ほど前にリニューアルオープンしました
もちろんこちらの新診療所へ一般の競馬ファンの方をご案内するのは今回初めてとなります
こちらが競走馬の診療の申し込みを行う受付です
きれいな待合室に「新築のにおいがする!」と声が聞かれました
手術室では獣医さんより競走馬の骨折治療についてお話して頂きました
医療技術の進歩に伴い、複雑な骨折でなければ手術によって競走能力を回復することは可能になっているそうです。骨折後、手術を施された競走馬が活躍するケースも珍しくないようで、骨折した骨をボルトで繋ぎとめられた競走馬が重賞を勝利することもあるそうです
そして、こちらがトレッドミルルームです
トレッドミル(写真・左端)というと、人間で言うスポーツジムにあるトレーニングマシーン(ランニングマシンのようなもの?)を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、競走馬の場合は診察に使用されます
普段の様子では病気の症状がわからない場合、調教中、レース中と同じような状況をトレッドミルで作り出して診察を行います
以上で有馬記念調教見学の日程はすべて終了となります
今年最後の盛り上がりを見せる大レース、有馬記念今年も感動のドラマが生まれることを期待してください
さらに、中山競馬場では有馬記念当日にオルフェーヴルの引退式が。翌日の12月23日にはエイシンフラッシュの引退式が行われます。これまでGⅠレースをにぎわせた名馬の競馬場での最後の姿をご覧に、是非、中山競馬場まで足をお運びください