札幌競馬場の夏日記 第2話 「滞在馬の1日」 ~調教編~

20060713_01_1今回は滞在馬の1日について皆様にご紹介したいと思います。
 午前4時30分。周りはまだ寝静まっている頃、札幌競馬場に滞在中の小島茂之きゅう舎(美浦)を訪問しました。きゅう舎ではすでに調教の準備作業が始まっており、スタッフの方2名が息をぴったり合わせて馬に鞍をつけたり、肢にバンテージを巻いたりしていました(写真①)。スタッフの方たちは淡々と作業を進めていますが、実は非常に危険な作業で、中には鞍をつけるのが苦手な馬もいて、そういう馬たちはよく暴れたりするんですよ。

 この作業を順番に終わらせたら、今度は準備運動をします。準備運動は馬たちが1列に並んできゅう舎の周りを約1時間程度ウォーキングするというものです(写真②)。馬たちの『早く広い馬場で走りたい』という気持ちをスタッフの方たちがなだめながら、しっかりとウォーミングアップを行います。

 ウォーミングアップが終わる頃、時間は5時30分になっていました。札幌競馬場では5時30分になると馬場にでる地下通路が開放になり、いよいよ馬場での調教開始となります。それまで待っていた馬たちが一斉に馬場にでて調教を始めるのです。馬たちは角馬場(1周4~500m)で軽い運動をして、その後ダートコースに入って調教を行います(写真③)。馬によっては様々な調教メニューが用意され、スタッフの方はその馬に合わせた方法で調教を行っていきます。
 
 調教が終わった馬たちはクールダウンのウォーキングを行った後、きゅう舎の洗い場に行ってスタッフの方に汗を流してもらいます。(写真④)この頃になると馬たちは朝ごはんが待ち遠しいのかソワソワしたりして、洗っているスタッフの方にいたずらしたりと非常にかわいい姿に戻ります。そして馬房に戻ると待ってましたとばかりに朝ごはんを食べ始めるのです。
 
 このようにして札幌競馬場の滞在馬たちは毎朝スタッフの方たちと調教をこなし、この日々の積み重ねをレースにぶつけて、皆様に迫力のある競馬を展開しているんです。札幌でも公開調教を実施しますので、是非一度調教風景をご覧になってはいかがですか。

 最後に早朝からの取材に快く協力してくださった小島茂之きゅう舎のスタッフの皆様、本当にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

来週は発走調教についてご紹介する予定です。乞うご期待!!

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